【事例】製造業のDX:在庫管理のデジタル化で年間200時間削減
中小製造業のDX成功事例

企業概要
- 業種: 金属加工業
- 従業員数: 30名
- 課題: 在庫管理が紙ベースで、棚卸しに多大な時間がかかっていた
導入前の課題
課題1:紙の在庫台帳による管理
在庫の入出庫を紙の台帳に手書きで記録していました。記入漏れや記入ミスが頻発し、実在庫と台帳の数字が合わないことが日常茶飯事でした。
課題2:月末の棚卸しに丸2日
月末の棚卸しには、全員で丸2日かかっていました。その間、通常業務が止まってしまうことも大きな問題でした。
課題3:在庫切れ・過剰在庫
リアルタイムで在庫状況が把握できないため、在庫切れによる納期遅延や、過剰在庫によるキャッシュフロー悪化が発生していました。
取り組み内容
Step 1:現状の業務フロー可視化
まず、在庫管理に関わる業務フローを可視化しました。入荷から出荷まで、誰が何をしているかを整理することで、改善ポイントが明確になりました。
Step 2:ツール選定
複数のツールを比較検討した結果、Google AppSheetを採用しました。
選定理由:
- 初期費用が抑えられる
- スマートフォンで入力できる
- Googleスプレッドシートと連携できる
- カスタマイズが容易
Step 3:アプリ開発
現場の担当者と一緒に、在庫管理アプリを開発しました。
アプリの機能:
- バーコードスキャンによる入出庫登録
- リアルタイム在庫数表示
- 在庫アラート(設定数量を下回ると通知)
- 入出庫履歴の検索
Step 4:現場への導入・教育
いきなり全面導入するのではなく、まず1つの倉庫でパイロット運用を行いました。現場からのフィードバックを受けて改善を重ね、3ヶ月かけて全倉庫に展開しました。
導入後の成果
成果1:棚卸し時間の大幅削減
月末の棚卸しが2日→2時間に短縮されました。年間で約200時間の削減効果です。
成果2:在庫精度の向上
実在庫と記録の誤差が**5%→0.5%**に改善しました。
成果3:在庫切れの減少
リアルタイムで在庫状況が把握できるようになり、在庫切れによる納期遅延が80%減少しました。
成果4:過剰在庫の削減
適正在庫が維持できるようになり、在庫金額が15%削減されました。
成功のポイント
ポイント1:現場主導で進めた
IT部門任せにせず、実際に在庫管理を行っている現場の担当者が中心となって進めました。
ポイント2:小さく始めた
全社一斉導入ではなく、1つの倉庫から始めて、徐々に展開しました。
ポイント3:完璧を求めなかった
最初から100点を目指さず、60点でリリースして改善を繰り返しました。
ポイント4:経営者の理解があった
経営者がDXの重要性を理解し、必要なリソース(時間・予算)を確保してくれました。
今後の展望
在庫管理のデジタル化を足がかりに、次は生産管理のデジタル化に取り組む予定です。在庫データと生産計画を連携させることで、さらなる効率化を目指しています。
まとめ
この事例のように、中小企業でもDXは実現可能です。大切なのは、身近な課題から小さく始めること。81合同会社では、このような伴走型のDX支援を行っています。


